あるクライアントから、「自社のグローバル化に伴い、海外子会社やグループ会社のマネジメントをリモートで行うにあたって、単なる語学研修だけではグローバル人財育成が間に合わない。そこで、自社の状況にあったeラーニングコンテンツを開発し、不足している異文化コミュニケーションスキルの理解を深めたい」というご相談をいただきました。
この要望に応えるかたちで、当社がオリジナルの異文化理解に関するコンテンツを作成したお話をします。
グローバル教育というと真っ先に「英語研修」が挙げられますが、実際のコミュニケーションでは語学力以上に「異文化理解」が不足していることで誤解や摩擦が生じて、会社にとっての損失につながるケースが少なくありません。特にプロジェクトのリーダーやマネジャーにとっては、ある程度の英語力は当然のこととして、相手の文化習慣やコミュニケーションスタイルの違いを踏まえたマネジメントが要求されるのが現実です。
当社はグローバル人財育成に関する研修プログラムを数多く提供しており、対面、オンラインを問わず、人と人とのコミュニケーションを重視したビジネスコミュニケーションのトレーニングを得意としています。最近では、インプット学習を研修時間内ではなく、自己学習としてeラーニングを活用するケースが増えています。
これまで異文化コミュニケーションや異文化間マネジメントスキルのような概念の理解を深める研修は、集合型研修で実施することが多かったのですが、このたび、クライアントのニーズに合わせて日本語で学べる”異文化コミュニケーションスキル””異文化間マネジメントスキル”のeラーニングを作成することになりました。
異文化理解に関するeラーニングコンテンツを制作にするにあたって、基礎編では異文化コミュニケーションで最低限押さえてほしい文化的な違いや価値観、コミュケーションスタイルの違いを学べる内容にしました。また応用編では、リモートで海外子会社の部下を管理する際に必要となるマネジメントスタイルの違いを取り扱いました。1トピックあたり10~15分で視聴しやすい長さにしました。一方的な視聴にならないように要所に理解度チェックのためのクイズも取り入れることで、考えながらキーポイントを学べるようにしました。以下、トピックです。
- 「どうしたらより良い信頼関係を築くことができるのか?」
- 「訴訟のリスクを避けるために注意しないといけない異文化コミュニケーションのポイントは?」
- 「マネジメントで避けるべき英語表現は?」
- 「日本的なスタイルと欧米、アジアとのコミュニケーションの違いは?」
- 「海外子会社の部下の評価、フィードバック、モチベーション管理のコツは?」
- 「問題になりがちな状況のケーススタディから学べることは?」
上記のような質問に答え、実践的な問題解決のアドバイスを伝える内容に仕上げました。このような内容を踏まえてオンデマンドでの学習を促し、要所で集合型研修のディスカッション形式でアウトプットすることで、学んだことを深める活用ができそうです。
異文化間マネジメントコミュニケーションスキルは個人によっても異なりますが、国や文化ごとにある傾向を知ることで、問題が生じた際にその要因を特定し、改善をするための糸口を見つけるのに役立ちます。如何でしょうか。皆様の会社でこのようなニーズや課題はありませんか?もしかしたら、解決の糸口は英語力ではなく、異文化マネジメントスキルかもしれません。