多くの企業にとって、海外ビジネスの重要性はますます大きくなってきていますが、最近、若い世代では、価値観の多様性を尊重する、キャリアは自分で選択する、そんな時代の中で、日本以外での活躍を望まない層と、グローバルな活躍に積極的な層との二極化が進んでいます。

そんな状況の中で、よくある対策としてグローバルマインドセット研修や英語研修を取り入れる企業は増えていますが、残念ながら、入社時の“一次的な取り組み”だけでは、社員の考えをグローバル志向に変化させることは難しい状況であることも事実です。

それでは、限られた時間の中で、新入社員の内発的な動機を刺激しつつ、グローバルに意識を向けてもらうにはどうしたら良いのでしょうか。

代表的なアプローチとして、現地法人へトレーニーとして派遣する方法があります。これは、海外を直に感じるという意味でとても有効と思いますが、実際に派遣された場所では、社会科見学のような研修になってしまっていることも少なくありません。

そこで一つの事例をご紹介したいと思います。当社では国内での研修においても、まるで 新入社員が海外にいるかのように、多くの多国籍の外国人スタッフと協働する経験をさせる研修を行っています。

この研修では、英語力を磨くのではなく、また異文化理解のような知識を深めるものでもなく、あくまで多国籍チームで、一緒に働くことの疑似体験をしながら、彼らの新しい価値観や文化の違いに触れ、グローバルに働くことを感じてもらうことがポイントになっています。

多感な新入社員であるからこそ、研修の中で、グローバルビジネスに対する色々なイメージや見地を拡げていく仕組みを作ることが鍵となります。

英語が苦手な社員にとっては、“やらねば”の動機付けの前に、“やれるかも”の動機付けの方を優先させて、左脳的なアプローチで、理屈やあるべき論で、理解してもらうよりも、まずは感覚やイメージを優先させる右脳型のアプローチをお勧めします。

如何でしょうか。新入社員への刺激先は様々ありますが、一つのアプローチとしてご参考にされてみてはと思います。