皆さんGCAS(ジーキャス)というテストはご存じですか?これは、日本英語検定協会(通称・英検)が実施している英語スピーキングテストです。今回はこのテストについて少し触れたいと思います。

代表的な英語力の指標「TOEIC L&Rテスト」

英語力の指標としては、日本ではTOEIC L&Rテストが代表的です。学生の就職活動から企業での昇進要件など、多くのシーンにおいて採用されています。英語関係の仕事をされている方ですとTOEICの〇〇点と言われれば、おおよその英語力をイメージできる方が多いのではないでしょうか。

一方で、実際のビジネスの場においてはTOEICスコアが参考にならないことが多々あります。TOEIC L&Rテストにはスピーキングをチェックする項目がないために、インプット中心の学習をメインにしてきた方が多く、高得点保持者の中にはスピーキングはまるでできないという方も少なくありません。そのため、実際のビジネスの場において、意見を求められたり説明しようとすると、途端に言葉が出てこない、話せないといった事につながるのです。

私たちが研修をプランニングする際、TOEICのスコアを事前に開示していただく事も多いですが、そのスコアほど話せないという方も多く、スコアと英語の運用能力にはギャップがいることが多々あります。最近ではその辺りを懸念し、海外赴任前の要件として、TOEIC L&Rテストに加え、新たにスピーキング能力をチェックするテストを指標として使う企業が増えてきています。

「GCAS」テストとは?

GCASテストは、対面形式(オンラインも可)で行われる15分間のスピーキングテストです。テスト内容は、以下の3つで構成されています。

1. インタビュー

インタビュアーから出される3つの質問に対して、自分の意見や考えを述べるといった形式です。計3つの質問が出され、自身の紹介や日本のビジネスや自社についての意見や考えを話す必要があります。

2. プレゼンテーション

出されたグラフを読み解き、グラフが表していることやそこから読み解いた情報に対して、意見を述べる必要があります。グラフを比較し、それが差し占めていることを的確に言葉で説明する必要があります。

3. ロールプレイ

与えられた状況や課題に対する改善方法を面接官とディスカッションするパートです。自身の意見の理由や根拠などを明確に伝える必要があります。

特徴と強み

私自身、仕事柄多くの英語関係のテストを受講してきましたが、GCASテストの感想を一言で言うと「ビジネス英語力の測定に特化している」ということです。

理由としては、

・自身の意見を組み立て、明確に根拠や理由を説明する必要がある

・出題テーマや質問に対応するだけのビジネス関連の語彙力が必要とされる

・実際のコミュニケーションシーンのように、短時間で意見を組み立てる必要がある

・順序だてた説明が求められる

という点です。

弊社の研修においても上記のようなスキルに重きをおいて研修を実施していることもあり、弊社の研修との親和性も高いなと感じています。

スコアレポートがCEFR指標

スコアレポートは、English Language SkillsとBusiness Performance Skillsの2つで測られ、それぞれ下記の項目が結果として出てきます。

<English Language Skills>
・表現の幅 
・正確さ
・流暢さ
・一貫性
・やりとり

<Business Performance Skills>
・発表力
・分析力
・交渉力

上記の項目をCEFRの指標において(A1~C2)6段階で評価がされます。CEFRとは、外国語の学習者がどのレベルまでその言語を習得しているかを判定する際の国際的な言語習得のものさしで、日本でも近年急速に注目されている指標であり、学校現場や大学入試においても取り入れられてきています。海外においてはTOEICよりもスタンダードな指標です。

感想

各スコアレポートの項目を見ても、社内での発表やクライアントとの商談、説明、調整など、全てにおいてビジネスの実際の場で必要とされる能力ばかりですし、海外赴任や海外業務に携わる方が英語力を測る上でのテストとしては非常に適していると思います。GCASでの高得点はビジネス英語のスピーキング力を表す指標としては、高い信憑性があると言えると思います。

先にも少し触れましたが、弊社の研修はGCASで問われるような英語運用能力の強化を得意としており、GCASの対策講座も実施しております。GCASの評価項目は、自己学習の座学のみで得点を上げられるような内容ではないことがおわかりいただけるかと思います。英語運用能力の向上に行き詰っていらっしゃりましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。