今回は、IESの研修の中でも特にニーズの高い「英語プレゼンテーションスキル研修」についてご紹介したいと思います。

私たちが提供している英語研修は、大きく2つのタイプに分けられます。1つは、会話力強化、ライティング力強化、TOEICのスコアアップ等の英語力自体を伸ばすもの。もう1つは、英語というツールを使って何かスキルを身に付けるもの。(私たちはスキル研修と呼んでいます)スキル研修には、英語で会議に参加するためのミーティングスキル、英語で交渉できるようになるためのネゴシエーションスキルなど、ビジネスにおいて必要とされるスキルの研修が様々あります。今日はそんなスキル研修の中で、特にニーズの高い「英語プレゼンテーションスキル研修」について書きたいと思います。

なぜプレゼンテーションスキル研修のニーズが高いのか?

数あるスキル研修の中でも、なぜプレゼンテーションスキル研修のニーズが高いのでしょうか?

それはとてもシンプルな理由で、グローバル会議などでのプレゼンテーションにおいて「失敗が多い」からです。なぜ失敗が多いのか、以下で少しまとめてみました。

1)論理展開の違い

海外のプレゼンテーションでは、結論、理由、根拠の順に示されることが主流です。一方日本では、過程や理由、根拠などの説明からはじめ、結論は最後といった、聞き手に推測させるような論理展開がよく使われます。これがグローバル会議でのプレゼンテーションにおいては、聞き手を引き付けることがなく、論理展開がわかりづらい、という事につながります。

2)資料、スライドの違い

よく会議やプレゼンの場で、「このスライドは、ワード文書の資料をコピーしただけなのでは?」と思うようなスライドや、原稿をそのまま書いてあるスライドといったものがあります。本来「聴く」はずの聴衆が、資料を「読む」のに忙しく、プレゼンターの説明がただのBGMとなってしまい、全くダイナミックさに欠けるプレゼンテーションとなってしまいます。

しっかりと準備をしたつもりであっても、日本式をそのままグローバル会議にもっていっては通用しないのです。

評判の良くないプレゼンテーション ベストプレゼンターに!

あるお客様のお話ですが、毎年秋に、海外拠点のマネージャーが集まり、日本にある本社で100名を超えるグローバル会議が開催されるそうです。日本からも多くのプレゼンターが参加していましたが、どうもプレゼンテーションの評判が良くないという理由で、IESにてプレゼンテーションの研修を組むことになりました。研修序盤に早速、参加者の皆さんにプレゼンテーションの実演をしてもらいましたが、やはり例にもれず下記の様な問題がありました。

・結論が不明確

・スライドに膨大な説明が記載されており“読み物”になっている

・手元の資料を読むだけで、単調な伝え方になっている

・目線や表情に自信がない

そこで、資料に記載されている文章は最低限に留め、要点を纏めるようにしたり、話し方に抑揚、強調する部分にストレスをつけたり、自信を持ってプレゼンしている印象に見せるような体の向きや姿勢、立ち位置、聴衆へのアイコンタクトの仕方等々、資料の手直しから始め、論理展開の修正、話し方や姿勢、目線などにも指導を行いました。IESの研修は、英語表現の指導はもちろんですが、実演と修正を繰り返すスタイルのため、短期間にどんどんブラッシュアップをすることができます。

研修の1ヶ月ほど後に、こちらのお客様より1本のお電話を頂きました。

それは、今年のグローバル会議でベストプレゼンターに選ばれたという大変嬉しいニュースでした。流石に、ベストプレゼンターというのは出来すぎな気もしますが、しっかりと指導や練習を行えば、成果が出るという良い例だったと思います。

プレゼンテーション研修の効果

この研修は、英語でのプレゼンテーション力の向上が一番の目的ですが、それ以外にもいろいろな効果があります。「スライドの見せ方」や「簡潔かつ明確な説明」は、英語だけではなく日本語でのプレゼンテーションにも大変効果的です。また、どれくらい練習や準備をすれば、どれくらいの完成度になるのかといった、プレゼンテーションの準備時間と練習時間といったことも体験的に学習してもらうことが出来ます。

数ある研修の中でも、短期間で大きな差と成果を出すことが出来る研修プログラムです。研修に携わる私としても、研修を終えた参加者の皆さんの達成感に満ちた表情に出会えるこの研修は、お気に入りの1つです。